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GenshinData-1/Readable/JP/Book248_JP.txt
2021-07-19 14:05:01 -03:00

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このような綿密な防御、ヤズタ級戦艦からなる大艦隊を持ってしても、有効打を与えられないだろう。
帝国の技術に慢心するゴルダファリード大将は夢にも思わないだろう。ゴパータ親王自ら設計し、シェール陛下から「アーヌシャルマン」と名付けられたこの強大な星海要塞の弱点に、反乱軍が急接近していること。
ペシータヌは高速艇ラハーシャを駆って、入り組んだ通気孔を走る。噴出される有毒ガスや元素雲を避けながら、自動迎撃する火器を振り切る。高速艇のあまりの速さに目眩を起こす。
「時が来た」
動力システムのエネルギー核が見えた。ペシータヌはこう思った。
「時間だ」
ゴルダファリード大将が星の軌道上にきらめく光のかたまりを眺めながらこう思った。
そして、星への無差別攻撃命令を下した。
時を同じくして、ペシータヌも要塞の核に攻撃を仕掛け——
「地団駄を踏むゴパータ親王/親王殿下を見てみたいものだ……」
その瞬間、奇しくも二人の考えは同じだった。