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GenshinData-1/Readable/JP/Weapon15402_JP.txt
2021-06-07 00:55:03 -03:00

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精巧な彫りが美しい弓。弓弦はいろいろな種類の糸が撚り込まれている。
弓弦を弾いて鳴らすと、癒しの流水音を奏でる。
しかし同時に、心臓を射抜く矢を放つ。音色と共に死をもたらす。
楽団の解散後、全ての弓弦が切られた。切る際には非常に耳障りな音が鳴った。
弓は美しい音色を失い、弦だけが残った。それでもなお強力な武器であることに変わりはない。
流浪楽団は鳥を地上に落とせる。鳥たちは弦音に惹かれたか、あるいは弦音を伴う矢に射抜かれたか。
音楽と共に散り行く微風と星拾いの崖の花のように、琴師は軽薄ながらも揺るぎない信念を持っている。
反乱失敗後、楽団のメンバーは四方八方に逃げ始めた。
琴師は仲間を援護するため、音を失い、矢を使い果たしても、最後の最後まで戦っていた。
琴師の出身地は華やかで美しい異国の地。各国を旅して本当の自分と運命を探していた。
彼が故郷の宮廷に別れも告げずに去っていったことに、周囲の少女たちは、声が出なくなるほど泣き続けた。
彼はモンドの平民に恋したが、その子はバドルドー祭の悲惨姫に選ばれてしまった。
無名のまま他国で亡くなった運命を、彼は悔やんだりしなかったらしい。
唯一の遺恨は、やっと愛を見つけたのに、それを唄うことができなかったこと。