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GenshinData-1/Readable/JP/Book137_JP.txt
2021-04-26 00:42:37 -03:00

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ノットフリガがそう話すと、彼女の金髪は徐々に暗くなり、夜色と一体になった。青空のような瞳も黒夜を迎え、漆黒の色に染まった。
「今から、私があなたの主よ。当然、あなたは私が責任を持ってしつけを教えるわ。」
ノットフリガは体をしゃがめ、ディートリッヒに出処知らずの首輪をつけた。首輪はどんどんディートリッヒの首の大きさまで縮まった。いくら彼が暴れようとその首輪が動くことはなかった。
「ふぅ、ずいぶん時間を無駄にしたわ。早く城から出ましょう。」
そう言ったノットフリガは城外に向かって歩きだした。ディートリッヒは全身の力を振り絞り、貴族荘園の方向へ逃げようとした。しかし、首輪の不思議な力により、彼はノットフリガに逆らうことはできなかった。
ノットフリガは嫌がるディートリッヒを見て、指で髪を巻き上げた。
「君が足掻くのを見るのは面白いけど、結構うるさいわね。新しく開発した『静寂の夜』っていう魔法があるんだけど、それを私に使わせたくなければもう吠えるのはやめることね。」
すると、世界が一瞬で静かになったような気がした。直感からすぐに分かった、絶対に彼女の実験対象になってはいけないと。